Platinum Christmas



雪が降ってる


午後からの雪


今日の天気としては一番理想的な天気だ




君との待ち合わせの時間まであと15分


先走って30分も前に来ていたなんていったら


君は笑うんだろうな





大きいツリーだ


いつもこの時期になるとここに置かれる


大きく輝くクリスマスツリー


今年でこのツリーの下で待ち合わせするのは2回目だ


去年は・・・思い出すだけでも恥ずかしい


自分でも馬鹿で恥ずかしい事をしてしまったと


今でも後悔してる


もっと違う伝え方もあっただろうに






そんなことを考えているうちに時計を見ると


もう約束の時間になっていた



「もうそろそろか・・・」



と、向こうから手を振って君がやってきた






「ごめんごめん・・・遅れたら・・・どうしようかと・・・思った・・・」






だいぶ走ってきたらしい


君はだいぶ息を切らしていた






「ほら、もうそろそろだよ」






僕がそういうと彼女が時計を見た





11時59分・・・





と、彼女が目を上げた瞬間


ツリーの灯り


そして駅の外灯さえも消えた





0時・・・





その瞬間に今年一番のクリスマスバラードと


ツリーの周りを灯りが




ひとつ・・・またひとつ・・・




そしておぼろげに見えるツリーの頂上に



淡い星明りがともった








星明りがともった時


僕は彼女と手をつないでいた








「前はこの時、キスをしてくれたのよね」


「何も言わず・・・だけど」








と彼女は笑いながら言った


僕は顔が熱くなったのを感じた



去年



僕はまったく同じシチュエーションの中で


彼女でもなんでもない


ただ片思いの君をここに呼んで


ほんとは


ただ好きだと言うだけのはずだったのに・・・


体は違う事をしていた





彼女を抱きしめ





キスしていた・・・








「嫌だったか・・・?」








と僕が言うと






「嫌だったら・・・今私がここに貴方といると思う?」





とよりかかってきた





「好きよ・・・去年のあの瞬間も・・・」






「今のこの時間も・・・」






僕はまた


顔が熱くなるのを感じたけど



彼女とつないでる


手のぬくもりのほうが






僕は熱く感じていた